「工場がロボット化に失敗することってあるのかな。一体、どうなってしまうんだろう…。うちの会社もロボット化するみたいだけど。不安。」
そんな疑問にお答えします。
当記事を読めばロボット化に失敗した工場の事例が分かります。
パラレルキャリアのRyotaです。地方の小さな工場で10年ほど工場勤務してきました。途中でロボットアームと自動検査機を導入したのですが、人を減らすことにつながりませんでした。
当記事の内容はこちら
- ロボット化に失敗した工場の事例
- ロボット化に失敗した後の工場について『ブラック化』
運用方法を考えずに形だけ取り入れると失敗します。人が減らせないどころか、保守点検・イレギュラーで仕事が増えます。
ロボット化に失敗したため会社の経営がピンチ。経営陣はそろそろ引退なので残された社員に『借金』だけが残りました。
それぞれ詳しく解説しますね。
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1.ロボット化に失敗した工場の事例
自動検査機・ロボットアームを導入しました。どちらも以下の点で失敗だったんです。
- 人が減らせない
- エラーが多い、上手に稼動していない
- 保守、点検ができない
結論を言えば『形だけの導入』だったんですよね。工場を見学するバイヤーさんたちにマウンティングする道具でした。
以下のツイートも参考になります。
労働力不足なので『ロボット化しよう』の動きが出てきてますよね。(私の勤めてた地方の工場でも実践されました。)
問題は形だけ真似すること。
・ロボット導入
・完全自動に失敗。結局、人が減らせない
・保守点検で仕事が増える
・オーバーホール用の予算が取れないこれで見事に失敗しました。
— Ryota@パラレルワーカー(パラレルロード) (@Blue_Rat_Web) August 16, 2019
労働力不足なので『ロボット化しよう』の動きが出てきてますよね。(私の勤めてた地方の工場でも実践されました。)
問題は形だけ真似すること。
・ロボット導入
・完全自動に失敗。結局、人が減らせない
・保守点検で仕事が増える
・オーバーホール用の予算が取れない
これで見事に失敗しました。
結果、現場作業員の責任が重くなったんです。それぞれの失敗内容を紹介していきます。
製品をパレットに詰むロボットアームを導入
積付け用のロボットアームを導入しました。それまでは人の手でパレットに製品を積んでいたんです。
製品のラベリングやロット確認をているオペレーターが別部屋の状況まで把握しないとダメになりました。人も減らせませんし、責任だけ重くなっちゃったんですよね。
一部の作業に人が必要なので人を減らせなった
それでも完全自動化できたのなら会社にメリットがあります。正社員1人かパート社員1人を削れますからね。長期的に見ればペイできるでしょう。
でも運搬に人が必要です。人は減らせませんでした。
現場では「何のために設置したのか分からない。」が合言葉になりました。記事後半でお話しますが、会社が成功をアピールするため人を削減したんです。
それで不満が爆発して退職ラッシュにつながりました。
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製品を自動的に検査するロボットを導入
カメラを使って製品の『傷・汚れ・異物』を判断する機械を導入しました。それまでは人の目で見ていたため、人員は1名削減できました。
問題なのは製品の品質が検査機に追いついていなかったこと。
検査できていなくても製品が通過してしまう
現場で徐々にチェックする数字を弱くして解決しました。たぶん…あまり検査できてないと思います。
問題化して薬務課も査察に来ました。その時は何と検査機のディスプレイが壊れてついていなかったんですよ。大問題ですよね。
結局、製品の質が落ちる+現場の責任が重くなるだけの機械でした。7,000万円。
ベルトコンベアを新型に変更
古くなっていたベルトコンベアを一新。もっとたくさんの製品が運搬できるように形も変えました。
それまで人が必要だった部屋も『人がいなくなる』はずだったんです。不要な設備を外しましたからね。そしたら…製品が詰まるんです。
製品が詰まる
- ひどいと5分に1回詰まる
- 別の部屋なのでつまりを解消するのに1分かかる
- 製品が詰まるだけで残業が1時間半増える
上記のとおり。大失敗です。
詰まった製品を直すためだけにパートさんを配置。人件費がプラスになりました。
この状況が続くので工場が『ブラック化』しますね。以下、どのような状況になったのかを解説します。
2.ロボット化に失敗した後の工場について『ブラック化』
以下のとおりです。
- 無理に人が減らされる
- ミスや事故が増える
- 現場の不満が高まり退職ラッシュ
会社的に失敗って言えないんですよね。銀行さんからも融資を受けてますし、バイヤーさんも見に来ます。
人を減らさないと『借金』も返せません。
労働がラクになってないのに人が減るので現場の負担が増えます。後はもう想像できますよね。
無理にでも成功させたかったので、現場の人数が減らされた
形だけでも成功にしないといけないからです。
- 人件費を減らして借金返済をしたい
- ロボット化すれば人は減って当然
この2つが理由ですね。
ロボットを導入する人って現場作業員じゃありません。現場がどのような状況なのかを知らないんです。だから『ロボットを使えない現場の責任』にさせます。
現場が出した結論は『人の手が必要な場所があるので、人は減らせない』です。でも人を減らすことで決定しているため、議論は平行線。
ミス・事故が増え現場社員の負担が増加。退職ラッシュ
現場は休憩時間を減らす・秒単位で行動することで何とか改善しようとします。でもそんな状況だと長続きしませんよね。
- ロボットアームの積付けミスによる荷崩れ
- 検査機の不調で数日間ラインが停止
- 毎日の残業増加
これで退職ラッシュになりました。私の工場は1割の社員がやめましたね。
※私も月残業100時間+別の仕事の責任を持つと言われたため退職しています。
ロボット化した工場に入るなら『完全自動』かを確認する
これからロボット化した工場は増えます。運用できているのか・完全自動なのかを確認しましょう。
- 完成した製品が物流まで運ばれる
- ロボットの導入から2年以上が経過している
- 小さなイレギュラーで停止しない
自動化しているのにベルトコンベアで製品が詰まっていたら運用ミスですよね。そういう細かい部分をチェックしましょう。
自動化できているはずなのに、自動化できていない工場は…勤めると危険です。
工場に強い転職エージェントに相談するなどして、1時間ほどじっくり工場見学させてもらうといいですよ。短時間じゃ分かりませんからね。
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まとめ:ロボット化は失敗する可能性があります
忙しい工場勤務。
ロボットが導入されるって決まると「やった!」って思いますよね。でもロボット化は失敗する可能性があります。
運用方法はどうなのか。人は削減されるのか。
この辺りを厳しくチェック。ブラック化するようなら、早めに逃げ道を確保した方がいいですよ。特にロボット化した工場は『キャリア』にもなりにくいですからね。
以上、『ロボット化に失敗した工場の事例『ブラック化が進んだ流れを紹介』』という記事でした。
工場勤務の正直な意見は以下の記事にすべてまとめてあります。
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