「音大の就活ってどうすれば良いんだろう。求人の探し方や就活フェアの参加方法はもちろん、自己分析や失敗談も全部知りたい!やっぱり一般企業って難しそうだし…。」
という疑問にお答えします。
パラレルキャリアのRyotaです。名古屋芸大のサウンドメディア学科を卒業。華やかなブライダル業界に勤めて大失敗。でも音楽経験を生かしつつ生きてます。
当記事の内容はこちら
- 音大の就活方法を解説『自己分析から求人の見つけ方まで』
- 音大生が一般企業に入社するっておかしい?
- 音楽を仕事に生かす2つの道について
- 音大の卒業生が仕事で苦しんだ経験談『リアル』
実際に就活と社会に出てから苦しんだ音大生だったのでお話できることがあります。やっぱり音大生の現実って厳しいです…。今のうちに視野を広く持つと社会に出てからラクですよ。
あなたには私のように苦しんで欲しくありません。恥ずかしい経験談もセキララにお話しますので、就活に役立ててください。
ではどうぞ。
1.音大の就活方法を解説『自己分析から求人の見つけ方まで』
就活の方法は以下の3つです。
- どういう仕事に就きたいのか考える
- 自己分析してどういう仕事に向いているのか考える
- 目指す道にあった就活をする
あなたがヴァイオリン奏者だろうがミュージカル学科だろうが同じです。
「ヴァイオリン奏者ならオーケストラ入団が普通じゃないの?」と思いますよね。子ども向けに講師になる道もあります。
音大生って学んできた道どおりに進むことを考えます。これで失敗する学生多いんですよ…。
就活方法① どういう仕事に就きたいのか考える
何の仕事に就きたいか分からないと自己分析も就活もできません。
まず、音大生にどのような道があるか知りましょう。
音大生の4つの道
- 学校の先生・音楽講師
- 一般企業に入社
- 音楽と関係する企業に入社
- 音楽系フリーランス
上記のとおり。
このうち、学校の先生は教員免許が必要。取得を目指していないと学校の先生にはなれません。音楽系フリーランスになるのもいきなりは難しいでしょう。
そのため『一般企業に入社』『音楽と関係する企業に入社』の2つが道になります。
オーケストラ団員のような『プレイヤーの仕事』も音楽と関係する企業に入社になります。仕事内容が技術職なのかビジネス系なのかの違いですね。
音楽業界の仕事について
さらに音楽業界の仕事を区分けしましょう。
- プレイヤー関係 | ピアニスト、アーティストなど
- クリエイティブ関係 | レコーディングエンジニア、ディレクターなど
- 音楽ビジネス関係 | 音楽雑誌編集者、レコード会社スタッフなど
- 楽器製作・クラフト関係 | 楽器製作、ピアノ調律師など
- 音楽療法関係 | 音楽療法士
さらに詳しくは以下の記事をご覧ください。それぞれの仕事内容まで網羅しています。
-
音楽業界の仕事をプロが解説『フリーランスの仕事も含めて紹介する』
続きを見る
上記を見てどういう道を目指すか決定しましょう。(まだこの段階で1つに絞らなくてもOKです。ただし、具体的に「こうなりたい!」と答えられるまでは決めます。)
次に決定した仕事が自分に向いているか判断します。そう、自己分析です。
就活方法② 自己分析してどういう仕事に向いているのか考える
自己分析とは自分を探ることです。
強み・弱み・性格を分析して何に自分は向いているのか考えます。ポイントは『好き嫌いじゃないこと』ですね。
楽器演奏が好き → 楽器を演奏する仕事が向いてる
音楽は楽しい → 音楽と関わる仕事をしたい
これじゃ自己分析になってません。
楽器演奏が好きなだけじゃ仕事になりませんよね。ギターを買ったばかりの中学生と同じ思考です。仕事になるだけの演奏力があって初めて強みになります。
自己分析の方法について
過去の成功例チェックと性格分析をします。
あなたの強みって既に知らないところで生かされてます。大成功した経験ってありますよね。アルバイトでミスを防いで褒められたとか。そういうのを紙に書き出して分析します。
- 細かいことに気づくことができる
- 新しいことに挑戦できる
- 人をまとめられる
こんな感じで見えてきます。
性格分析はツールを使いましょう。
無料なら日本エニアグラム学会の簡易タイプ診断。有料ならストレングスファインダーがおすすめです。
自己分析が終了したら、最初の『あなたがなりたい仕事』を確認。あなたの強みや弱みと一致しているか考えます。
コミュニケーションが得意なのに職人的に作業する仕事は力が発揮できないかもしれませんよね。こんな感じですり合わせます。
就活方法③ 目指す道にあった就活をする
目指す道が決まれば、その仕事に就くための行動をするのみです。
ポイントは『あなたがなりたい仕事になるための就活』をすること。以下、音大生が各仕事に就くための就活方法をまとめました。
学校の先生・音楽講師
音楽中心の先生になるためには中学校教諭1種免許状(音楽)が必要です。音楽教育専攻の必要があります。音楽の技術はもちろん、人に教えることを学びます。
音楽講師の場合は『カワイ』『ヤマハ』など、音楽講師になれる企業に挑戦します。各音楽教室でも募集していることがあります。チェックしましょう。
一般企業
就活フェアへ参加する・新卒向けの求人サイトに登録するなど、他の大学生と同じような就職活動をします。
以下、お勧めの就活ツールです。両方お使いください。
・MeetsCompany | 企業の人事や社長など決定権を持つ人がいる就職イベント。即内定もあるので、音大生でも就職しやすい。就活生の5人に1人が利用している。
・LINEで就活【digmee】 | LINEを使って隙間時間に就職活動が可。企業の人事と直接会うこともできるので、音大生のコミュニケーション能力を発揮しやすい。
音楽と関係する企業に入社
普通に応募してもまず入社できません。以下の3つの方法をお試しください。
・音大の就職課 | 音大生が欲しいと思っている企業の求人が見つかる。他には出回っていない求人も多いので要チェック。
・教授のコネ | 普段から真面目に授業を受けていれば紹介してもらえる可能性あり。1度相談する価値がある。
・クリ博ナビ | ゲーム会社・広告・テレビ局・音楽・マスコミの就職に強い。
音楽系フリーランス
音楽を利用して個人でお金を稼ぎます。
- クラウドソーシングを利用して仕事を引き受ける
- スキルマーケットで技術を売る
- 音楽素材を配布、または販売して手数料を得る
方法はたくさんあるものの、最低限の生活費を得るまでが大変です。フリーランスが仕事を獲得する方法は以下の記事でまとめてあります。
-
パラレルキャリア向けの求人サイト・仕事を探せる方法まとめ『15選』
続きを見る
2.音大生が一般企業に入社するっておかしい?
音大生でも一般企業に応募するのは普通です。
なぜなら、ほとんどの学生が一般企業に入社するからです。
結論:まったくおかしくない
ピアノを専攻した学生が100人いたとします。そのうち、2割が音楽講師。0.5割がプロを目指したとしましょう。残りの7.5割の学生は一般企業に入ります。
何となく音楽講師になって挫折する人も多いです。だから早い段階で一般企業に目を向けるって素晴らしいことです。
※音楽講師については以下の記事で注意喚起しています。
-
音楽で食べていくのは難しい理由『取り合えず学校の先生は危険』
続きを見る
音大生の強みを一般企業にいかすことを考えよう
音大生は『音楽への理解が深い』だけが強みじゃありません。
以下の3つのことを考えれば就活の幅が広がります。
- コミュニケーション能力が高い
- 集中力と継続力がある
- クリエイティブな発想力がある
「絶対仕事で音楽のことを生かさなきゃ。学んできた意味がない…。」って思いますよね。そんなことはありません。
音楽を通じてあなたには色んなスキルが身に付いています。だから音楽を学んだ時点で無駄なんてないんですよ。
音大生の強み① コミュニケーション能力が高い
音楽は自己表現。あなたの感情を外に出すツールです。
だから音楽に触れ合ってきた人って人の感情を見抜くのが上手です。共感もできます。
コミュニケーション力はどんな仕事でも役立ちます。面接でも「音楽を通じて普段は知り合えない人たちとも仲良くしてきた。」と伝えましょう。それって会社では大事なことです。
音大生の強み② 集中力と継続力がある
楽器演奏は1日で上達しません。来る日も来る日も練習し続けて、やっと音大に入れるレベルになってます。これって立派な才能です。
- 単純作業の中にも面白さを感じられる
- 試行錯誤ができる
- 集中力がある
この力を発揮すれば『工場勤め』も音大生にピッタリな仕事と言えますよね。こんな感じで幅広く考えます。
音大生の強み③ クリエイティブな発想力がある
同じ曲を演奏していても人によって表現が違います。この表現力・クリエイティブな考えは仕事に役立ちます。
- イベントの企画
- 効率化や新しい作業の提案
- 積極的に意見を出す姿勢
事実として、音大生は広告業界で力を発揮する人が多いです。
3.音楽を仕事に生かす2つの道について
それでも『音楽の技術的な部分を仕事に取り入れたい』って気持ちは残りますよね。私が実際に音楽が仕事で役立った例をお話します。
一般企業でも使える具体例になります。
① 知識と実力を作業・作品に取り入れる
例えばあなたがピアノを習ってきたとします。
広告代理店に入社。イベントを企画した時にあなたがピアノを演奏しましょう。ピアニストを雇う支出が減るので会社的にも嬉しいですよね。
- 老人ホームでのイベント企画
- 大イベントでお客さんの待ち時間を退屈させないための企画
- 販促用動画の一場面
などなど。発想次第でいくらでも思い浮かびます。
一般企業で音楽を生かす例
私はブライダル業界に入っていたときに販促用動画のBGMとして自分の曲を提出しました。著作権料が必要ないので大助かりって言われましたね。
② 音楽を副業にする
会社に勤めつつ、先ほどお話したような『クラウドソーシング』『スキルマーケット』でお金を稼ぎます。月3万ほど稼げたら大きいですよね。
終身雇用の崩壊がニュースになりました。45歳以上の早期退職者募集が盛んになっています。だからこそ、音楽で別のキャリアを作ることが大切。
本業+音楽活動のパラレルキャリアを目指しましょう。
-
パラレルキャリアとは。メリット・デメリット・副業との違いを解説
続きを見る
音楽を副業にする例
- 音楽素材をブログで配信。クリック型広告を掲載して収益化する。
- 音楽素材を販売する。(販売用のサービスを利用。)
- 音楽スキルを売る。
音楽副業に関しては以下の記事もご覧ください。
-
DTMで稼ぐのが不可能ではない理由『副業方法と共に解説する』
続きを見る
4.音大の卒業生が仕事で苦しんだ経験談『リアル』
最後に音大卒の私が『半端な気持ちで社会に出た失敗談』をお話します。
結論から言うと『新卒後に4回転職・仕事に悩んでうつ状態になる・結婚資金を貯めるのが遅くなり婚約破棄になる』です。
プロフィールもあわせてご覧ください。
クリエイティブな仕事に就かないと音大卒が無駄になると思った
私は結婚式場のカメラマンになりました。
とにかくクリエイティブな仕事に就かないと『格好悪い』と思ったため。音楽を学んだんだから、人の役に立つ華やかな業界にチャレンジしたいなって思ってました。
その結果。月のサービス残業100時間。他の社員は『仕事が生きがいで仕方ない』という感じで話になりません。私は体中に発疹が出て倒れました。
クリエイティブな仕事は薄給+激務
- なりたい人が多い
- サービス業が多くて年間休日が少ない
- 薄給でも募集がある
上記デメリットを見ていませんでした。
私は音楽が好きなだけで仕事に役立てようって思ってなかったんです。
一般企業に入って他の大学生と比べられるのが怖い
そこから職を転々とします。
最初は病院設立の企画部。これも華やかな業界ですよね…。大卒の経歴を生かさないとダメとか思ってたんです。
でも音大生って他の大学生と違って一般教養が劣ってます。
電話応対1つでもストレス。私は一瞬で潰れてうつ状態になりました。ここでようやく『音楽を学んできた経験を生かせないか』と気付いたんです。
小さな工場に勤めつつ音楽を個人で続ける道へ
派遣で工場勤務を体験。これはいけると判断し、地元の小さな工場に入社しました。基本給は17万5千円。
そこでも色々挫折しました。フォークリフトの運転で失敗。普通の人ならできる作業もミスったりです。でも音楽を学ぶようにコツコツと試行錯誤してレベルアップ。
会社の利益が悪化してブラック化するまでの10年間を勤めました。
音楽は個人事業で継続。途中で音楽のみで年収100万も達成。今は音楽素材配布サイトを運営して今後来るであろう動画時代に備えています。
まとめ:音大で学んだことをフルに発揮して就職に役立てましょう
どうか音楽を『技術』だけで考えないでください。
あなたは音楽を学んできたことで様々な力が身についています。その力に目を向ければたくさんの仕事にチャンスがあることが分かるはず。
私のように挫折の連続で苦労しないでください。当記事の方法を1つ1つ試して、仕事と音楽の両方で成功しましょう。
不安があれば当記事にも気軽にコメントください。分かる範囲内でお答えします。
以上、「卒業生が音大の就活方法を解説『自己分析から就職後の話まで分かる』」という記事でした。
音楽の仕事の種類は以下の記事で解説しています。
関連記事 音楽業界の仕事をプロが解説『フリーランスの仕事も含めて紹介する』
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音楽業界の仕事をプロが解説『フリーランスの仕事も含めて紹介する』
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