「工場が人手不足になる原因ってなんだろう。人手不足の工場の現場ってどういう状況なんだろう。詳しく教えて欲しい。」
そんな疑問にお答えします。
当記事を読めば工場が人手不足になる原因と現場の状況が分かります。
パラレルキャリアのRyotaです。大手の菓子メーカーと地元の小さな製薬工場にそれぞれ勤めてきました。10年ほど工場勤務を経験しています。
当記事の内容はこちら
- 工場が人手不足になる4つの原因
- 人手不足になった工場の現場状況について
- 人ではなく『労働力』で工場を見るべき
『人口減少』『ロボット化の運用ミス』『現場任せの管理』『社員のモチベーション低下』の4つです。
人手不足になった工場では残業が増えます。作業量も増え、満足に休憩も取れません。優秀な社員から順に辞めていきますよね…。
ひどい言い方ですが『使えない人が5人いる』より『使える人が2人いる』ほうが現場って回ったりします。人数だけでなく設備も含めた労働力で工場を見てみましょう。
それぞれ詳しく解説します。
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1.工場が人手不足になる4つの原因
以下の4つです。
- 人口減少
- ロボット化の運用ミス
- 現場任せの管理
- 社員のモチベーション低下
工場に限らず全国的に『人手不足』なのはもちろんです。少子化で労働人口が減ってますからね。
でも現場を見てると『工場の管理や考えが遅れてる』のを感じます。
広告費をかけずに人を集める方法はたくさんあります。実践している企業も多いです。そういうノウハウを取り入れる視野がないので人手不足になります。
それ以外にも現場を見ないと分からない人手不足の原因がありました。
① 人口減少
厚生労働省からデータが出ています。
出生数は91万8397人で、前年の94 万6065 人より2万7668人減少し、出生率(人口千対)
は 7.4 で、前年の7.6より低下している。
人が減れば働く人も減ります。人手不足になりますよね。
単純に人を募集しても入社しない
人手不足なら求人は売り手市場。普通に求人を出していても『リモートワークがある』とか、伸びている分野の業界に人気が集まりますよね。
製造業って『つらい』『ブラックが多い』のイメージがあります。確かにピンキリですし工場は閉鎖された空間なので人間関係も悪化しやすいです。
待遇を良くしたり、福利厚生に力を入れないと人は集まりません。
特に地方の工場は情報発信・情報収集能力が低め
そこで広告費をかけずに優秀な人を集めやすい『SNSを使った採用』や『リファラル採用(社員からの紹介など)』『Wantedly』の利用を考えます。
でも、地方の工場はSNSの運用すらしてません。昔と同じようにハローワークやフリーペーパーで人を募集するのみです。人手不足になりますよね。
仕事を見つける方法が多様化したということは、ハローワークを利用する人が減っているということです。
② ロボット化の運用ミス
自動化に失敗して効率が改善せず仕事量が増えた場合です。
私の勤めていた工場でもロボットアームや原材料を自動的に洗う装置が導入されました。それぞれ1人ずつ人員が削減できるはずが、人の手が必要な場所が出てきたんです。
人員削減できないのに、管理職が『成功した』とアピールしたいため人員を削減。現場は人手不足の状態になりました。
製造時間が伸び、製品の不具合も発生。
ロボットアームの状況を確認する作業員がいない時間帯もあります、積みつけに失敗して製品をロボットアームが破壊し続ける状況もありました。
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③ 現場任せの管理
管理職が人手不足を理解していないケースです。
- 管理職が現場に来ない
- 現場は『人手不足でどうにもならない』と報告
- 管理職は『人は十分いる。現場で改善しろ』と反論
困るのは現場ですよね。
もちろん、本当に現場の運用が下手な可能性があります。それを改善するのって管理職の責任です。改善した後で責任者を叱るなら理解できますよね。
現場で求められるスキルと管理職に求められるスキルも違います。
管理まで現場に求めると『有給を取得した社員の代理を現場で見つける』など、現場にとって無駄な仕事も発生します。
④ 社員のモチベーション低下
社員の士気が下がりサボタージュ。定着率が下がり、離職率が上がります。
工場の働きやすさの大半って人員で決まっちゃうんですよ。
人がいれば休憩が取れます。有給も使えます。少し仕事がつらくても我慢できるんですよね。
人がいないとトイレにも行けません。有給を使うなと言われます。『普通の生活ができる会社に転職しよう』と考えますよね。
離職率アップ、昔からの社員の退職につながる
仕事のできる主任クラスの社員が辞めます。
仕事のできる人が辞めると現場は一気に人手不足。仕事のできない人は代用ができますけど、できる人の仕事って代用できないからです。
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2.人手不足になった工場の現場状況について
まとめると以下の2つですね。
- 作業員が秒単位で行動するほど作業量が増える
- 残業時間が増える・有給が取れない・1日でシフトチェンジ
作業員が疲れます。イライラして人間関係が悪化。さらに離職率が上がる悪い連鎖になりますね…。
① 作業員が秒単位で行動するほど作業量が増える
作業しないと仕事が終わりません。仕事が終わらなければ帰れませんので、現場は何とか現状の人数で生産しようとします。
- 交代人員がいないので小休憩ができない
- 3人必要なラインを1人で回すので、油断ができない
- 製品の質が落ちる
上記は私の経験談。
この人数でやれという管理職に責任があるんだから、ミスや見逃しは出て当然。くらいに思い始めます。製品の質は落ち続けますね。
② 残業時間が増える・有給が取れない・1日でシフトチェンジ
交代制をしていた場合、交代制が破綻しますよね。早番~遅番までのとおし残業が増えます。1日単位でのシフトチェンジもありますね。
有給を取ろうとしても『代わりの人を見つけてきなさい』なので取れません。誰もがヘトヘトで仕事を代わる余裕がないからです。
もちろん、全部の工場がこの状態ではありません。生産数を落としてくれる工場もあります。
ただ、生産数が落ちれば利益が落ちます。ボーナスや昇給の響きますよね…。将来的にも不安です。
3.人ではなく『労働力』で工場を見るべき
工場によって必要な労働力が違います。個人個人の労働力を見つつ、数字で判断しましょう。
- できない人ばかりだと逆に効率が落ちる
- ロボット化は失敗する可能性がある
- 古い工場は継ぎ足しだらけ。作業がしにくい
こういう問題があるんで、作業員が多くても人手不足なこともあるんですよね。
最新設備も能率が良くなるとは限らない
オペレートするのは人です。
最新設備を動かせるオペレーターの数が少なければ負担が増えますよね。その人たちは休めないので仕事の割り振りもおかしくなります。
保守点検はもちろん、全く人の手がかからないかどうかでも作業員の数が変わります。
「キレイな工場だから大丈夫だろう。」と思うのはやめましょう。
人手不足じゃない工場に勤めるための方法
離職率・定着率で考えることですね。
例えば『いつも求人を出している工場』って問題があります。小さな工場でもちゃんと人が残っている・年齢層が分散しているなら働きやすいのかなと想像できます。
ホワイトな工場がたまたま人を募集するなどの『非公開求人』を狙うのも手。
※非公開求人が多く離職率の低い工場の求人は『工場に強い転職エージェント3選『現場の労働環境を相談すべき』』という記事の転職エージェントでご覧頂けます。
ホワイトな工場は給料も高めで休みも多いです。どういう求人があるのか相談してみましょう。
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まとめ:人手不足の工場に入社するメリットはありません
人手不足の工場に入社しても長時間使われるだけです。
工場は以下のような理由で人手不足になります。
- 人口減少
- ロボット化の運用ミス
- 現場任せの管理
- 社員のモチベーション低下
特に地方の中小工場ですね。どうやって人を集めているか。そういう戦略にも目を向けて将来性も判断しましょう。
以上、『工場が人手不足になる原因と現場状況を10年勤めた経験から4つ紹介』という記事でした。
工場勤務の正直な意見は以下の記事にすべてまとめてあります。
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