「工場のクリーンルーム作業ってどういう仕事なんだろう。工場でもキレイな現場な気がするけど、メリットやデメリットの両方を知りたい。」
そんな疑問にお答えします。当記事を見ればクリーンルーム作業の詳細が分かります。
パラレルキャリアのRyotaです。10年ほど製薬会社で工場勤務、1日に2時間以上クリーンルーム内作業をしていました。
当記事の内容はこちら
- 工場のクリーンルーム作業とは。基本的な内容を紹介
- クリーンルーム作業のメリット
- クリーンルーム作業のデメリット
- クリーンルーム作業のある工場に勤める方法について
クリーンルームは空調設備が整っているだけでなく、工場特有の汚さもありません。工場の中では働きやすい職場です。でもデメリットもあるんですよ。
実体験を交えつつ詳しく解説します。どうぞご覧ください。
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1.工場のクリーンルーム作業とは。基本的な内容を紹介
まとめると以下のとおりです。
- 内容物や精密機器の作成場所
- 二次更衣をして作業する。マスクやゴーグル着用もあり
- 重量物を扱うことはある
工場内でも特に異物混入に厳しい場所。人の口に入るものだったり、機械の心臓部を作っています。
当然二次更衣をします。ただし二次更衣のレベルについては各社で違いますね。私の経験だと医薬品製造工場の方が大手お菓子メーカーよりランクが低かったです。
クリーン作業=軽作業ではありません。20kg以上の重量物を運ぶこともあります。
私は医薬品製造と大手菓子メーカーのクリーンルーム作業を経験しました。研修で他社のクリーンルームにお邪魔したこともあります。その情報を元にお届けしますね。
① 内容物や精密機器の作成場所
クリーンルーム内で作るのは『精密機器の部品』や『人の口に入るもの』です。
- スマホの部品
- 医薬品
- お菓子の中身
- ドリンク類
ほこりなどの異物が不良品やクレーム対象になります。そのためクリーンな空間で作業して異物混入を徹底的に防いでいます。
クリーンルームは外部と面していない作りが好まれます。工場でも中心部に設置されてますね。
② 二次更衣をして作業する。マスクやゴーグル着用もあり
作業服からクリーンルーム用の作業着に着替えます。
- 髪の毛にネットをかぶせる
- 二次更衣する
- 手を洗う、除菌する
- 作業着の上にかぶせるように手袋や靴を履く
基本的にマスク着用です。ゴーグルは工場によって着用しないことがあります。私の働いていた工場は途中からゴーグル着用が義務付けられました。
二次更衣の作業着は長袖+風を通しません。夏は暑く冬は寒い、そして蒸れます。しかし、クリーンルームの空調が整っているため不快に感じることは少ないです。
ただし、クリーンルームが広い場合と『お湯』を扱う場合は要注意。温湿度が上がるため1時間で汗だくフラフラになります。設備不十分だからダメなんですけどね…。こういう工場もあります。
③ 重量物を扱うことはある
部屋がクリーンなだけなのでキツイ仕事内容はあります。
例えば『原材料の投入』です。工場だと1日で数トン単位の原材料を投入します。機械に入れるのが手作業だったりするんですよね。
- 1袋30kgのものを別容器に移す
- 容器から機械に投入する
- 1日に50回以上繰り返す
精密機器の製造や錠剤タイプの医薬品を作るのなら重作業はありません。せいぜい5~10kgのものを運ぶ可能性がある程度です。
体力のない人は軽作業+クリーンルーム作業の工場をおすすめします。
では、それぞれメリットやデメリットを紹介していきますね。
2.クリーンルーム作業のメリット
以下の3つです。
- キレイで涼しい環境
- 防虫対策が厳しいため、汚い作業がない
- 人の表情が見えないので気疲れしにくい
工場って汚くて人間関係の悪い印象がありますよね。そのデメリットがクリーンルーム作業だと軽減されます。これがメリット。
メリット① キレイで涼しい環境
クリーンルーム内は管理が厳しいです。そのため、基本的に涼しいしキレイです。
- 毛髪はもちろんホコリの1つもダメ
- 一定の温湿度を保っている
- 空調も専用のものを使う
作業のしやすい工場をイメージして下さい。雑巾も使いません。ベンコットなどのホコリが出ない使い捨てタイプになります。何度も繰り返し使わなくていいから衛生的ですよね。
工場によっては暑いこともある
ただし、製造するものによって温湿度の最低ラインが違います。空調設備が古くなっている場合はクリーンルームなのに30℃近くまで上がることもありますね。
メリット② 防虫対策が厳しいため、汚い作業がない
クリーンルーム内でもっとも恐ろしいのが『虫』です。小バエ1匹でも侵入したら退治するまで製造はできません。侵入経路も特定します。
普通の工場って毎日清掃していても汚れがたまります。クリーンルームは機械のパーツも分解して清掃するため、常にクリーンな状態が保たれています。
工場特有の『グリス汚れ』もない
工場の機械にはグリスが必要です。グリスが飛び散ったり劣化してベトベトな汚れになりますよね。あのグリス汚れもありません。
もちろん、クリーンルーム内の機械もグリスを使うことがあります。でも食用のグリスだったり、数時間に1度のふき取り作業があるので『ほとんど汚れない』んですよ。
メリット③ 人の表情が見えないので気疲れしにくい
ゴーグルにマスクを着用するので人の表情が分かりません。
- 機嫌を気にしなくていい
- あなたも常にニコニコしていなくていい
これ、かなりのメリットです。
工場って閉鎖された空間なので人間関係で悩みやすいんですよね。クリーンルームでも変な人が混じってることありますが、ライン工ほど気にしなくていいです。
3.クリーンルーム作業のデメリット
以下の3つです。
- トイレに行くのが大変
- 体調不良時の負担が強い
- 規則が厳しい
クリーンルーム内にトイレや休憩室はありません。虫の発生・侵入につながりますからね…。なので、『もしも』の時がつらいんですよ。
デメリット① トイレに行くのが大変
トイレに行きたい場合は作業服に着替えないといけません。クリーンルーム内の作業を停止する、または誰かにお願いしてからの移動なので10分はかかります。
作業開始前の体調報告・細かくトイレに行くのは必須ですね。
デメリット② 体調不良時の負担が強い
マスクやゴーグルで顔色の悪さが気付いてもらえません。空調設備が整っていても、二次更衣は身体を締め付けます。息苦しさも感じますね。
「体調が悪い…。ちょっと休もう。」
という場合も、休める場所までが遠いんですよ。先ほどお話したように『腹痛』の時はどうにもなりません。素直に休まないと仕事にならないです。
デメリット③ 規則が厳しい
クリーンルーム内の『清潔』を保つためです。
- 手洗いや二次更衣の決まりが細かい
- クリーンルーム内でしてはいけないことが多い
当たり前ですがマスクやゴーグルを外してはいけませんよね。持ち込み禁止物も多いです。全て守らないと厳しく叱られます。
小さな工場のように『ゆるい規則』のイメージで就職すると痛い目に合いますよ。
最後にクリーンルーム作業のある工場の探し方・勤め方をお話します。デメリットがあるものの、やっぱりクリーンルーム作業は働きやすい職場です。
4.クリーンルーム作業のある工場に勤める方法について
以下の2つがポイントですね。
- 精密機器や医薬品製造の工場を探す
- 工場専門転職エージェントと相談する
当たり前ですが全部の工場にクリーンルームがあるわけじゃありません。でも、小さい工場でもクリーンルームがあったりするんです。
何を作っている工場にクリーンルームがあるのか。実際にどういう作業をしているのかの情報を集めましょう。
方法① 精密機器や医薬品製造の工場を探す
既にお話したように精密機器や医薬品を作る工場にクリーンルームが多いです。特に医薬品製造ですね。弱った人が使うものなのでクリーンな場所で作って当然です。
- 半導体工場
- 製薬工場
上記を探しましょう。製薬工場は奈良や富山に多いですが、地方でも見つかります。
ドリンク類より『チューブタイプ』『錠剤』を扱っている工場をお勧めします。原材料が少ない+大量のお湯を使わないので仕事がラクだからです。
方法② 工場専門転職エージェントと相談する
工場や製造業特化の転職エージェントがあります。
ほとんどの転職エージェントが製造業の求人を扱っていますよね。でも、工場に詳しいアドバイザーがいるかは別。どういう作業をしていてクリーンルームがあるのかが分からないかもしれません。
工場専門の転職エージェント・転職サイトなら『クリーンルーム』で検索しても求人が見つかります。
以下の3社を利用しましょう。
- メイテックネクスト | エンジニアに強い転職エージェント。エンジニアでもクリーンな環境で働ける仕事を相談できます。
- 工場ワークス | クリーンルームで検索可能。男性はもちろん女性でもクリーンルームで働ける仕事が見つかります。
- 工場・製造業専門の求人サイト【JobHouse】 | 検索できないものの、半導体系の仕事でクリーンルーム作業が見つかります。電話相談で聞きましょう。
特にメイテックネクストがお勧めです。エンジニアに強いという触れ込みですが、『製薬』で検索しても非公開求人含め200件以上ありますからね。
1度相談してみましょう。
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まとめ:クリーンルーム作業のある工場は働きやすいです
工場って環境の良し悪しで人間関係も変わります。いつも汗だくで疲れやすい職場だとイライラするじゃないですか。
クリーンルーム作業は『静かに働ける職場』もあります。あなたが想像している工場勤務とは違って働きやすい職場が多いです。
「特別なスキルも無いし、工場で勤めたい…。」と思っているあなたはクリーンルーム作業のある工場を探しましょう。
以上、「工場のクリーンルーム作業とは。メリット・デメリットを実体験から解説」という記事でした。
工場勤務の正直な意見は以下の記事にすべてまとめてあります。
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