「DTMって何なんだろう。パソコンを使って作曲したいんだけど、何をどうしたらいいのか分からない。DTMって呼ばれてるくらいは知ってるけど…。詳しい話を聞かせて。」
という疑問にお答えします。
ミュージックコンポーザーのRyotaです。中学時代から独学でDTMを開始。大学ではサウンドメディアコースを卒業。フリーの作曲家としても活動しています。
当記事の内容はこちら
- DTMとは『仕組みやDAWとの違いを解説』
- DTMに必要な機材・予算について
- DTMでオリジナル曲を作る方法について
- DTMを学ぶ3つの方法『予算別に解説』
- DTMで作った楽曲を発表する方法について
実際に10年以上DTMをしている私なのでお伝えできることがあります。昔と違って低予算でも可能。簡単に始められるようになりました。
何を買えばいいのか・学び方はどうすればいいのか。初心者でもDTMを開始できるよう丁寧に解説します。お気に入り登録して教科書的にお使い頂ければ幸いです。質問があればコメントもお気軽に!
ではご覧ください。
1.DTMとは『仕組みやDAWとの違いを解説』
DTMとは『デスクトップミュージック』の略称。パソコンを使って楽曲を作ることです。
これを混同しちゃうと難しく感じます。まずは「DTMって難しいことじゃないんだよ。」という理解をしましょう。
DTM → パソコンを使って楽曲を作ること
世の中には色んな作曲ソフトがありますよね。自動作曲ソフトも登場しています。でも、パソコンを使って曲を作るんならDTM。手動も自動も違いはありません。
1988年にローランドからミュージくんという『作曲ソフトと音源を同封したパッケージ』が販売されました。これを機にローランドがDTMという名称を発表。
DTMマガジンやパソコンの普及と共に『DTM』が認知されました。
DTMはMIDIの利用が一般的。
DTMを学んでいると必ず登場するのが『MIDI』という名称。
オーディオインターフェイスの後ろにMIDI端子があります。ここにMIDIケーブルをつないでMIDIキーボードや電子ピアノに接続。
オーディオインターフェイスはパソコンとUSBケーブルでつながってます。
MIDIキーボードで鍵盤を押す → MIDI信号がオーディオインターフェイスからパソコンに流れる
上記の流れでパソコン内のDAWにデータが送られます。
ちなみにMIDIは信号なので『USBケーブル』『ファイヤーワイヤーケーブル』でも送れます。最近だとMIDIケーブルも見なくなりましたね。
MIDI信号の流れが理解できればケーブル類の接続も簡単です。
MIDI形式とMOD形式について
かなりマイナーな音楽ファイルとして『MOD形式』があります。
MIDI形式(.midi)の欠点は音の『データ』でしかないこと。midiファイルだけを渡した場合、音の配置データはあるんですけど音楽データがないんですよ。
その欠点がないのがMOD形式(.mod)。音楽ファイルの音データが加わっているので、誰が開いても作曲者の音で音楽を聴くことができます。
一時期はMOD形式もMIDI形式と同様に人気でした。現在はMIDI形式が一般的になっています。
次に混乱しやすいDTMとDAWの関係をお話しますね。
DAW:作曲用ソフトのこと。DTMの必要機材の1つ
DAWとは『デジタル・オーディオ・ワークステーション』の略称。作曲用のソフトです。
このDAWを『DTM』と勘違いする人が多いんですよ。確かにDAWがDTMの中心となるソフト。でも全く違ったものです。
DAWはDTMの要素の1つ。DAWがなくてもパソコンを使って作曲することは可能です。だからDAWとDTMは別物です。
DAWを使ってできることは以下のとおり。
- 音源の追加
- 各種エフェクト類の追加
- MIDIファイルやオーディオファイルの取り込み・入力
- 各オーディオ機器との連携
ほぼ何でもできちゃいます。DAWを使いこなせるかどうかでDTM能力が変わってくるとも言えますね。
以上がDTMに関する基礎知識。次の項目から肝心の『機材や予算』『学び方』などを解説します。
2.DTMに必要な機材・予算について
予算は10万円ほど(パソコン代含む)。
必要機材は以下のとおりです。
- DAW(作曲用ソフト)
- オーディオインターフェイス
- ヘッドフォンまたはスピーカー
- MIDIキーボード(電子ピアノ)
- パソコン
なお、必要機材の具体例や詳細は以下の記事で解説しています。
-
『初心者向け』DTM環境の作り方。必要機材と選び方、学び方まで全てお話します。
続きを見る
当記事ではざっくりおすすめ機材や予算のみ解説していきますね。
DTMに必要な機材
DAWを中心に『必須機材』のみご紹介します。
プロになると『電源の種類で音質が変わる。』みたいな話もありますが、家庭でDTMを楽しむレベルなら関係ありません。
以下の5つさえ揃えばDTMはスタートできます。
① DAW(作曲用ソフト)
既に何度もお話している作曲用ソフト。
『SONAR』『Cubase』『Studio One』が国内シェア率上位を占めてます。オーディオインターフェイスに機能制限のあるライト版が付属している可能性があります。
いきなりプロ版を買っても使いこなせません。まずは初心者向けのバージョンから使いましょう。
なお、SONARは無料でダウンロードできるようになりました。プロレベルの機能が無料…。凄い時代になりましたね。
こちら SONAR
② オーディオインターフェイス
視聴や録音に必要な機械です。
MIDIキーボードなど、色んなものをパソコンに接続しないとダメですよね。でもパソコンの機能にも限界があります。パソコンって音楽専門の道具じゃありませんからね。
DAWにMIDIキーボードからMIDI信号を送っても『音が遅れて聞こえてくる』『入力が遅れる』ことがあります。そういうのを改善させるのもオーディオインターフェイスの仕事。
レイテンシー(音の遅延)と呼ばれます。これ、DTMでとにかく重要なこと。パソコンで文字を打ったのに数秒遅れで画面に反映させるとかイラっとするじゃないですか。そういうのを改善します。
2万円ほどのものを買えば十分。私はZOOMのUAC-2を利用しています。DAW付属のパッケージも多いので調べてみましょう。
③ ヘッドフォンまたはスピーカー
音の出力装置です。
ヘッドフォンやスピーカーってメーカーや価格帯で特徴があります。『低音や高音を増幅させて音を聞きやすくする』などですね。
高音が強く出るヘッドフォンで曲を作ったら『高音が弱い曲』になります。
私は『MDR-7506』を利用しています。
④ MIDIキーボード(電子ピアノ)
音を入力するために必要です。
なお、音さえ入力できればどんなものでも構いません。
- 電子ピアノ(鍵盤を押せば本体から音が鳴る)
- MIDIキーボード(鍵盤を押しても本体から音が鳴らない)
- シンセサイザー(音源としても使える)
パソコンやオーディオインターフェイスから接続できるのならギターやアコーディオンでも入力できますよ。
場所が許すのなら88鍵盤タイプをおすすめします。41鍵盤だと高い音を出したいときにスイッチで切り替えないとダメなんですよね。そういう面倒がありません。
⑤ パソコン
デスクトップでもノートパソコンでも構いません。
ただし、DAWとソフトシンセサイザーの起動に高スペックが求められます。本体で7万円くらいのものを買えばまず大丈夫。
私はマウスコンピューター製品を使ってます。
DTMに必要な予算:10万円あれば開始できます
オーディオインターフェイス | 15,000円
DAW | 無料またはオーディオインターフェイスに付属
ヘッドフォン | 5,000円
MIDIキーボード | 10,000円
パソコン | 70,000円
DTMの環境が整ったらオリジナル曲を作成しましょう。操作方法が面倒ですけどDAWの説明書に細かく記載されてます。安心ですよ。
3.DTMでオリジナル曲を作る方法について
DAWを起動。音源を起動してリアルタイム入力やステップ入力で音を配置。オーディオ化して加工するだけです。
DAWのマニュアル片手にとにかく『遊び倒すこと』です。
方法① DAWを利用して音を打ち込む
オーディオインターフェイスを接続。DAWを起動したら、まずは音源を起動します。上記写真はピアノ音源を起動したところです。
これで『何かの音が鳴る状態』になりました。そしたら、その音に音楽情報を加えます。
音の入力方法は大きく3つに分けられます。
- リアルタイム入力
- ステップ入力
- マウスでぽちぽち入力
必ずしもリアルタイムで演奏する必要はありません。だからDTMは『楽器が弾けなくても作曲可能』です。
後はこれをひたすら繰り返すだけ。パートごと・メロディーラインごとに入力し続けます。
方法② 各種エフェクト類を使用。マスタリングする
各パートのオーディオ化が終了したら音を整えます。
- EQ
- コンプレッサー
- リミッター
- リバーブ
- ディレイ
上記のようなエフェクト類を使って音圧を高めたり、音の奥行きを表現します。
作曲とは違ったスキルが必要です
このエフェクト類の使用は作曲とは関係ないスキルです。どれだけオシャレな曲が書けても『音を整える方法』は全く別分野だからです。
注意:DTMは自由に曲が作れる魔法のツールではない
DTMがあれば簡単に曲は作れます。しかし、思い通りの曲が作れるのとは別。
まずコード進行など『作曲スキル』を高めないと曲は作れません。サンプリング音を並べて曲を作ることはできますけど、それってオリジナル曲とは言いづらいですよね。
作曲・DTM・マスタリングの3つのスキルが必要
作曲スキル | コード進行や転調・音のぶつかり具合についての知識
DTMスキル | DTMを自由自在に使うスキル。ケーブル類のつなぎ方なども学ぶ必要あり。
マスタリング | 楽曲のクオリティを上げる作業。各エフェクト類の知識が必須。
上記3つはとにかく『勉強』しないと分かりません。
DTM上達のコツは『DTMを上達させる4つのコツ『短時間で思い通りの曲が書ける技術』』が参考になります。
次の項目でDTMの学び方を解説します。少しずつDTMの知識を深めていきましょう。
4.DTMを学ぶ3つの方法『予算別に解説』
以下の3つです。
- 書籍を使って独学する
- ネットを使って独学する
- DTM教室で学ぶ
独学すれば低予算で学べます。逆にお金を使えば『時短』で学べます。
当ブログでもDTMの作曲方法を紹介しています。以下の記事もあわせてご覧ください。
-
DTMの作曲方法を1から解説『音学歴18年のプロの手順がこれだ!』
続きを見る
方法① 書籍を使って独学する
DTM解説やコード進行の勉強本を片手に自分で学びます。
- とにかく安い(書籍代10,000円もあれば十分)
- 時間がかかる
- 難しい部分は理解できない
上記の特徴があります。
DTMについては説明書やマニュアルを見れば十分です。作曲に関する書籍は以下の記事で紹介しています。作曲を独学する方法もまとめていますのでお役立てください。
-
【完全初心者向け】独学で作曲を勉強する方法『1年でオリジナル曲完成』
続きを見る
方法② ネットを使って独学する
当ブログもネットを使ってのDTM独学になりますね。
- 書籍代すら必要ない
- 動画も利用すれば難しい部分も理解できる
一方で、必要な情報が見つからないこともあります。
YouTube動画や作曲ブログが便利です
YouTube動画なら楽器演奏面についても学べます。
DTMの知識なら『DTMステーション』が定番。お気に入り登録して情報を集めましょう。当ブログの『音楽カテゴリ』もあわせてご覧ください。
方法③ DTM教室で学ぶ
音楽教室の『DTM講座』を受けましょう。
- マンツーマンでDTMについて教えてもらえる
- 分からない部分をその場で聞ける
- 作曲方法からエフェクト類の使用・音楽の発表方法も教えてもらえる
上記メリットがあります。ただし高いですね…。月に10,000円前後は覚悟しましょう。
ただ、DTMを学ぶために学校に通うよりは格安です。私は私立の音大に通いました。学費で800蔓延しました。親に感謝してます…。(奨学金も250万円借りて10年以上支払ってます。)
おすすめのDTM教室情報について
-
『無料体験あり』作曲家の私がおすすめするDTM教室3社と選び方
続きを見る
シアーミュージックが講師レベルの高さで人気です。随時無料体験できますので、まずはDTMがどういうものかを体験してみましょう。
5.DTMで作った楽曲を発表する方法について
最後に作った音楽の発表方法をお話します。以下の4つです。
- 動画投稿サイトに投稿する
- 音楽素材投稿サイトに投稿する
- 個人ブログで公開する
- 同人活動で販売する
もちろん友人に聞かせるのもアリ。音楽の楽しみ方は人それぞれです。DTMを副業にすることだってできますからね。
方法① 動画投稿サイトに投稿する
YouTubeやニコニコ動画で投稿しましょう。
再生数次第でバカにできない収入源になります。ニコニココモンズに投稿するなど、最初から収益目的で発信することも可能です。
動画投稿サイトの例
YouTube | いわずと知れた有名動画投稿サイト。収益化も可能。
ニコニコ動画 | 最近はちょっと落ち目。面白系楽曲やボカロ楽曲ならここ。
SoundCloud | 音声ファイルの共有サービス。とにかく膨大な量の楽曲がある。
方法② 音楽素材投稿サイトに投稿する
音楽素材を自由に投稿できるサイトに登録。
- 音楽素材として発信する
- 不特定多数の人から作曲依頼を受ける
上記が可能です。ストックフォトの音楽版を想像してください。
音楽素材投稿サイトの例
DOVA-SYNDROME | フリーBGMの最大手。登録には問い合わせが必要。
Audiostock | 音楽を販売したいならここ。
方法③ 個人ブログで公開する
楽曲を個人のブログで発信。
ツイッターやインスタとも連動させて音楽メディア的に運営します。
SEOの知識が必須ですが、軌道に乗れば月5万人以上に見てもらう・聞いてもらうことも可能。あなたの音楽活動の基盤にできます。
個人ブログの例
私の音楽素材サイト『SuzukazeNote』が参考になります。当ブログの直下に設置している形。たくさんの音楽作品と音楽素材を投稿。大勢の人に利用されています。
方法④ 同人活動で販売する
個人でCDを作成、販売しましょう。
- noteなど、音楽コンテンツで販売する
- 頒布イベントで頒布する
- 手売りする
- ダウンロード販売を利用する
- ECサイトで売る
とにかく色んな方法が考えられますね。簡単なのはnoteで売ることです。以下、noteで音楽を売る方法を紹介しています。どうぞご覧ください。
-
【超簡単】noteで音楽を販売する方法『テンプレート文+手順解説アリ』
続きを見る
まとめ:早速、DTMを開始しましょう。
- DTMとは何なのか。基礎知識を得る。
- DTMの環境を整える。
- DTMの作曲方法を知る。
- DTMについて学ぶ。
- 作った音楽を発信する。
上記がDTMを楽しむ流れです。
DTMは趣味できるのはもちろん、スキルマーケットで技術を販売することも可能。早速DTMを始めてあなたの特別な技術の1つにしましょう。
以上、「DTMとは。初心者向けに1から解説『準備から勉強法まで真似でOK』」という記事でした。