『鉄巨人』MEIKO&鏡音リン&ルカオリジナルの物語楽曲集『4章』

君はいつから居るの
そんな暗い顔して
多分この先の事
抱えて悩んでいる

晴れない雲の海
消えた光と
息の詰まる空気
僕らはどうなるの

いつまでも同じで居る事
出来ないと分かっていたはず
胸の中　欠け落ちたものが
君が今　動けない理由

遠い公園の隅
今も隠れるように
君は壊れているの
数え切れないほど

どうにでもなってしまえばいい
そんな事思いたくは無い
気づかずに歌を口ずさむ
いつのまに　涙流す君

消えていく光
潰される程の雲

枯れていく木々と
不安に怯える人よ

逃げていく強さ
取り残される弱さ

真っ赤に目を腫らして　君は叫ぶ
過ちを繰り返す人々へ

空は　今に　落ちてしまうと

一粒の雨は
終わる事を忘れた
作られたものは
溶けていく酸の雨

目の前にあるものも守れずに
優しいこの心は守れない

真っ赤に目を腫らして　僕は叫び
大きな武器を空に掲げては

雲を　突いて　前を見据えた

壊した物に　目を背け
誰かを責めて　自分を守りたいだけで

どんなに上手く　いかなくても
違った日々は来るはずはないの

いっそ この世界を捨てられたなら
幸せ求めて泣く事も無かった
寂しいよ

何かを二つ　貰えるなら
逃げない勇気　怒りを包む優しさ

遠い未来に憧れるより
消えた昨日で傷つけるより
強い歌　眼差し　透き通る風

腐った街並み 恐れずに目の前
現実へ

気づけば　世界に
僕と君の
影しか見えない
取り残され

遠くに浮かんだ
大きな船には
逃げた人たちが
楽しげに歌を歌うの

僕の肌は冷えていくの
飲めない水　枯れていく声
白く染まるこの大地に
溜め息をつく

気づけば　世界は
僕と君の
声しかしないの
消えた命

君は僕に黒い水を
渡して微笑みかけるの
振りまけば蘇る木々
青い水と空

君の腕から
落ちるエーテル
僕は気づかず
笑顔

どんなに　辛い時でも
別れはいつも笑顔で

逃げ遅れた訳じゃない
自分の意思で居たの

突然来た助けなど
立場を守りたいだけ

君は大きな手でさよならを
引き離される二人

分厚い雲を　突き抜けた先
見下ろした(見上げた)　この星は
真っ黒に汚れて

大きな船　沢山の
手に迎えられた僕

壊れかけた物なんて
捨ててしまえば良いの?

青かった空　元に戻る頃
君はもう(大人に)　なっていて
僕はもう　動けない

ah-

僕たちの夢だった
遠い新しい世界を
見つけ出す船だった
希望の名前を付けたの

昨日まで居た
小さな家も
きっと消えたんだ　宝物も

憧れた未来に
近づく架け橋になれ
そう願い刻んだ
船の名はアナスタシア

僕たちは知っていた
近い未来の結末を
逃げてきた船の中
希望の名前は霞んだ

昨日まで居た
優しい君も
きっと消えていく　名前も無く

(遠く　呼ばれた気がしたんだ)
(いつの間に　涙流す僕)

憧れた未来に
近づく架け橋になれ
そう願い刻んだ
この船のアナスタシア

君に　この名前を奉げて
いつか届くように
狭い船の中　歌う

溶けた　大地　その下に
とても懐かしい街並

遠い　昔　過ぎ去った
壊れかけたあの風景

繰り返したく無いの
強い悲しみを

僕が今　立っている　この場所は
空の果てまで届く　辛い思いの場所
(過ちに怯えては)　震えてた　逃げていた
そんな僕自身が　嫌いで

荒れた土に　草の種
そっと胸に　しまい込んだ
強く降り出した　酸(あめ)
世界の果てまで

胸の中に残った　苦しみを
消すために　僕は今　消えてしまうのかな
(そんな訳じゃないはず)　この場所に　もう一度
優しさ戻ると　信じて

遠く　遠く　時間は過ぎた
淡く　光る　思い出達よ

誰もかもが　忘れかけていた
雲の隙間　青い景色を

緑溢れて　風が流れて

降り立った船を捨てて
走り出した　色彩の
産まれ来る波の向こう
壊れ果てた鉄巨人(きみ)の手に

遠く　遠く　時間は過ぎた
酷く　暗く　何も見えない

誰もかもが　忘れるだろう
雲の隙間　僕の姿を

手足錆付いていく
これで良かったのかな
僕が犠牲になれば
星は元に戻るの

大地には　恵みの水
大気には　綺麗な風
人々に　優しい歌
僕の胸に 空いた穴

君の後ろ　丘の向こう
過去に消えた　未来の日

強く降った雨　流された
土のその下に　消えた未来の都市

廃墟の中　光る影
誰かのホログラム

浮かび上がるのは　赤い空
大きな光と　鉄の人

いつか辿りつく　結末を
僕は受け入れる事は出来ない

君の手の平に　白い花一つ
君が壊したの　あの光景

たった一つだけ　違う影
誰かを守った　あれは君?

浮かび上がるのは　青い空
優しい瞳の　鉄の人